ストレスやメンタル不調に対応できる職場をつくる研修事例<その1>
ストレス社会と言われて久しい世の中ですが、ストレスやメンタル不調に悩んでいる社員は相変わらず多くいるのが現状です。
厚生労働省の調べでは、過去1年間(令和元年 11 月1日から令和2年 10 月 31 日までの期間)にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は 9.2%となっています。
決して少ない数字とは言えません。
《令和2年「労働安全衛生調査」(実態調査):https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r02-46-50_kekka-gaiyo01.pdf》
休職する社員が出てしまうと、休職した社員が担っていた仕事をどのように回していくのか?と悩ましい問題を職場が抱え、業務担当の見直し、組織の再編や配置換え、場合よってはテンポラリーな担当者を見つけるために人事が走り回るということも起こり得ます。
また、休職社員が会社のベテラン社員で、様々な面で頼りにしていた社員だったというケースも中小企業においてはよくある事例です。
そうなると、ベテラン社員1名の休職によって、企業にとっては2名分、3名分の人的リソースを失ったほどのダメージに見舞われます。
さらに人員が減ったことによる負担・負荷が他の社員にも少なからずかかり、社内にストレスがたまりやすくもなります。
そのような状況は、社内でさらなるメンタル不調を引き起こす要因にもつながってしまいます。
メンタル不調になり休職する社員が続出する・・・こんな負のスパイラルを作らないためには、メンタルヘルスに対する正しい知識を得て、メンタル不調の予防を行えるように事前に社員を教育すること、そして、会社全体でメンタル不調者を出さない取り組みが重要です。
先日も、会社全体の取り組みとして必要なセルフケア研修とラインケア研修をある企業様で行わせていただきました。
研修はメンタルヘルスについて考える機会になり、メンタル不調で休職してしまう前に、正しい対処法を知ることができるので、休職の予防にもつながります。
本日は、先日の研修の様子をお伝えしながら、管理職も部下もストレスやメンタル不調に対応できるようになるセルフケア研修、ラインケア研修はどんなプログラムで、どんな効果が期待できるのかもお伝えします。
もくじ
セルフケア研修とは?どんなことを学ぶ研修なのか?
先日、ある企業様(仮にB社)にて、セルフケア研修をおこなわせていただきました。
セルフケア研修とは、
✓ 予めメンタルヘルスに関する正しい知識を得て
✓ 職場の一人一人がご自身でメンタルヘルス不調に早期に気づき
✓ 適切な対処が自身でできるようになる
ように導く研修になります。
セルフケア研修を受けていただくと
「自分はメンタル不調とは無縁だ」
「メンタルが弱いとか言う人はただ単に自分に甘い人」
「メンタル不調は気合いで乗り切れるものだ」
など、メンタル不調に関する誤った見解や偏った考え方も是正されていきます。
メンタルヘルスは身体的な病気やケガと違って、こころ(内面)の不調がゆえになかなか気づき難く、メンタル不調が酷くなってから本人も周囲も気づくという後手の対処になりがちです。
セルフケア研修では、
ストレスの要因となるものにはどんなものがあるのか、また、自分自身でメンタル不調に気付くポイントや、ストレスをためないコミュニケーションの仕方・考え方なども総合的に学んでいきます。
セルフケア研修のプログラムで必ず入れるべき内容とは
セルフケア研修を行うにあたって、プログラムの中に必ず入れるべきものとして当社で捉えていることは、
✓ 一人一人がメンタル不調を自分ごととして考え
✓ 周囲のメンタル不調にも敏感になることができるように
導けるプログラムづくりです。
先日もB社で行わせていただいたセルフケア研修で、参加された社員の皆さんそれぞれが自分の身に起こるさまざまなストレスサインに気づけるワークを行いました。
ワークでは、自分の身に起こるストレスサインを一方向だけでなく、多角的に観察していただきます。
すると
普段のちょっとした不調が実はストレスサインだったことに気づく方
自身のカラダやこころにストレスサインが意外にも多くあることに気づく方
など、ストレスがかかる日常の環境が少なからずあることに気づかされるのです。
そして、ストレスに気づかずにそのままの生活を続けていたとしたら、メンタルヘルスに悪影響を及ぼしていたかもしれず、研修のワークを通していったん立ち止まり、自身のストレスについて考える時間を持つことそのものが、メンタル不調悪化の抑止にもつながるものだと、研修を実施するたびに感じるものです。
何よりも、自身のストレスサインを知ることが、自分自身でカラダとこころにストレスがかかっていることに早く気づくことに繋がります。
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ストレスに早く気付く
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これがメンタル不調を悪化させない非常に大事なことです。
自身の身にストレスがかかっていることに気づいたら、今度はその対処法を学びます。
自分自身のストレスに対処できるようになるにはこの研修
セルフケア研修ではワークとして、それぞれのストレス対処法を発表していただく時間も設けています。
こうした研修中のワークと、ワークした内容をシェアすることで、自身のストレス対処法をしっかりと自覚するだけでなく、一人では考えつかなかったストレス対処法に触れることができるので、ストレス対処法のバリエーションがおのずと広がります。
セルフケア研修を受講する前は、メンタルヘルスの知識も少なく、自分の身に起こるストレスからの体調不良すら自覚に乏しくても、研修で楽しく学び終えるころには、メンタルヘルスを健康に維持するヒントの数々を得ることができ、文字通り【セルフケア】ができる自分になるのです。
そして、メンタル不調の原因と対処法を学ぶ前と学んだ後では、自分自身だけでなく、職場で一緒に働く人の異変にも敏感に気づける土台ができるという嬉しい副産物も得られます。
結論として、職場のメンタルヘルス対策としては、まずラインケア研修から始められると良いでしょう。
社員一人一人のメンタルヘルスに対する自意識が高まり、安易にメンタル不調に陥らない健康な職場へつながります。
<次回は、ストレスやメンタル不調に対応できる職場をつくるメンタルヘルスケア研修事例 その2 として、ラインケア研修についての事例をもとに研修の意義や有効性についてお伝えします>
長期在宅ワークの影響による社員のメンタル不調が増えています。
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そんな時にはまずご相談ください。
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