ハラスメントやメンタルの研修をやるなら動画研修?集合研修?
こんにちは。ソルラシックのスタッフ・奥村です。
最近、企業研修で「ハラスメント防止研修」や「メンタルヘルスのセルフケア研修」「ラインケア研修」を行わせていただく機会が増えています。
ハラスメントの方に関しては、2020年6月から大企業に対して施行された「ハラスメント防止法」が、中小企業においては2022年4月からの施行となったことによって、中小企業の経営者の方々も以前よりさらに意識が高くなっているようです。
また、ハラスメントの被害者も、そして加害者も、ハラスメントが起きてしまった後にはメンタルヘルス不調となるケースをこれまで見てきました。
ハラスメントもメンタル不調も起きないに越したことはないです。
そのために、予防としての知識と、自分で守る、周囲を守るという両方の視点が持てるように、ハラスメントに対してもメンタル不調に対しても、会社としてサポートするには研修は有効な手段だと思います。
ハラスメント予防研修、メンタルヘルスのセルフケア研修・ラインケア研修をするなら集合研修?動画研修?
さて、研修を企画される際は、集合研修と動画研修のどちらを考えていらっしゃるでしょうか?
昔は研修と言えば対面の集合研修しかありませんでしたが、最近は研修の現場もIT化が進んで、集合研修であってもZoomなどのオンラインを活用した研修ができたり、予め収録された動画を受講生が自由に観るかたちで学習する効率の良い研修も取り入れやすくなってきました。
私たちソルラシックは、動画研修もいくつかお受けしている実績がありますが、どちらかというと集合研修の方がいまのところ多くお声がけいただいています。
実際に、集合研修と動画研修のどちらにしようか?と悩まれている方々の参考に、私たちが思う集合研修のメリットとデメリット、そこから見える動画研修のメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
研修の企画時にご参考にされてください。
集合研修のメリット
①受講生の理解度に合わせた研修ができる
②受講生がその場で感じた疑問や質問にすぐに講師が応えてくれる
③グループワークがしやすい
④同じ社内でコミュニケーションが取れる(きっかけづくり)
順番に詳しくお伝えします。
①受講生の理解度に合わせた研修ができる
集合研修は、講師がその場で受講生の様子を見ることができるので、受講生の理解度に合わせたり、お客様企業の実情に合わせた内容の濃淡をつけながら研修を進めることができます。
対して、動画研修は、受講されている様子を講師が見ることができないので、受講者ごとの理解度に合わせた提供は1つの動画ではできません。動画研修ならば、初級・中級・上級などのようにレベル分けした動画を数本作ることでまずは初級から受講する方とそうではない方を分けるなどの対処はできますが、それでも集合研修のような一人一人に対する丁寧な理解度の把握に合わせた研修対応というのは、動画研修ではなかなかできないのが現状かと思います。また、動画研修の場合、お客様企業の実情に合わせた内容での研修をしたい場合は、事前のヒアリングをもとに動画を作成する形で実現しますが、動画製作後に変化した社内状況に合わせることは難しくなります。
このように集合研修は、事情に合わせた臨機応変さが最大のメリットのように思います。
②受講生がその場で感じた疑問や質問にすぐに講師が応えてくれる
こちらも上記①と同じように、リアルにその場に居るからこそ、都度の対応ができる部分になります。集合研修では、受講者が分からないことや疑問点があったらその場で不明点をなくすように対応できます。
対して、動画研修は、リアルにその場ですぐの回答はできません。不明点や疑問点を動画視聴後に別途教えていただき対応するという後日対応で補うことは可能です。
③グループワークがしやすい
集合研修はリアルに対面の時も、Zoom等のツールを使ったオンラインでの集合研修の場合も、大勢が一緒の時間に集まっているからこそグループワークができます。
グループワークを実施すると、その場の雰囲気が一気に変わるのをいつも実感します。
受講生の皆さんが、研修で楽しそうに意見をシェアし合うのです。
グループワークの良いところは、一人一人の考えをグループ内で拾って一緒に考える機会ができる点にあると思います。
意見を言う側にも意見を聴く側にも、自分ひとりでは知り得なかった新たな知見ができたり、複数の視点で見る柔軟性がつくので新たな発見につながったりします。
そのため、理解度も応用力もグッとあがります。
対して、動画研修は個々人で自由な時間に視聴するケースがほとんどなので、グループワークを動画を視聴しながらすることは難しくなります。
動画研修でもグループワークを実施したい場合には、
決めた日程にグループで集合し、一緒に動画を視聴しながらワークをするか、
動画視聴をしておく期間を決めて、その間に皆がそれぞれに視聴し、後日ワークの日程を作って、その日に皆で集合し、動画に出てきたワークを実際にやってみることでグループワークができるでしょう。
ただ、タイムラグがあると記憶が薄れてしまうこともあるので、場合によっては、動画の振り返りをしながらグループワークを行うなどの手間をかける必要は出てきそうです。
④社内のコミュニケーションが取れる(きっかけづくり)
企業によっては、他部署の方々と同じ作業をする機会がなかったり、場合によっては同じ社内であっても一度も会話をしたことがない社員が居ることもあります。
集合研修は、そういった社員の皆さんにとっては、他部署の社員と交流する絶好の機会となります。
グループワークの時間で一気にお互いが親しく感じられるので、社内のコミュニケーションを円滑にするきっかけづくりとして最適な場になります。
動画研修だと受講生同士と会話する機会やグループワークの時間が設けにくくなることから、社内のコミュニケーションを重視したい場合には集合研修の方をおススメしたいと思います。
実は、これまで扱ってきたハラスメントやメンタルヘルス不調のケースを分析すると、それらの元凶とも言える部分に『コミュニケーションの不具合』というのが見えてきます。
集合研修でのグループワークでも、グループごとの雰囲気を見ると、良い雰囲気のグループと、逆にあまり雰囲気の良くないグループが見受けられることもしばしばあります。
経営者や人事の方々にとっては、グループワークの様子を見てみるのも、自社の現状を把握する一つのバロメーターにもなりそうです。
以上が集合研修のメリットを通して見た動画研修との比較です。
私どもが携わることが多い集合研修を中心にお話しをしてきましたが、動画研修にももちろんメリットは多々あります。
動画研修のメリット:
① 個々人のペースで受講できる。
→ 集合研修とは異なり、日程を決めて一斉に受講するわけではなく、個々人のペースで自由に受講ができます。
② 何度も繰り返し観て復習ができる。
→ 何度も繰り返し観れるのは、動画だからこそのメリットです。
集合研修の場合は、繰り返し学習ができないからこそ、振り返りをしっかりおこなって効果検証をして欲しいと思います。
③ ほとんどの人が受講できる
→ 研修日を固定した集合研修とは異なり、オンデマンドでの受講の場合は、環境さえ整えば、ほぼすべての人が受講できます。
そのため、シフトの都合などで受講できないといった残念なケースを防ぐことができます。
④ 受講する人数に制限がない
→ 場所を借りてリアルに開催する集合研修とは異なり、動画を視聴するデバイスさえあれば何人でも受講できるというメリットがあります。
いかがでしょうか?
集合研修も動画研修もそれぞれにメリット・デメリットがあるので、自社に適した研修方法を取り入れてみてください。
そして研修は、ハラスメントやメンタルヘルス不調が起こっているから実施されるというよりも、それらを未然に防ぐために受講いただくのが一番良いです。
まだ研修をされていないなら、この機会に実施を考えていかれてくださいね。
研修について相談しながら決めていきたいと思われたら、弊社でもご相談を受け付けておりますので、よろしければお声がけください。