「言語化」のメリットとは
もくじ
自分のことを理解してもらいやすくなる「言語化」のメリット
ハラスメント対策やメンタルヘルスケア対策にもなる「言語化」とは
で、ほんの一例をあげましたが、これまで、言語化ができないことで様々なコミュニケーション上のトラブルが起きるのを見てきました。
逆に言うと、自分の言いたいことを自分で掴み言語化することができると、ストレスがたまりにくいのではないかと思います。
まず、言語化して見ると
「そっか、私は本当はこう考えてるんだ。こんなことを伝えたいし、相手に分かってもらいたいんだ。」
ということが明確になり、すっきりして気持ちが落ち着きます。
これができていないと、相手に分かってもらう前に自分で自分のことがはっきりせず、もやもやとしてしまうのです。
このもやもやを勘違いして相手にぶつけてしまうのは、相手にとってもとんだとばっちりですよね。
自分の考えを伝えることができると、相手にとっても
「なるほど、この人はそういう考えなんだな」
ということが分かりやすくなります。
いちいち「この人、本当はなにを言いたいんだろう?」と考えずに済みますし、中途半端に言語化された言葉をそのまま受け取ってしまい誤解が生まれることも防ぐことができます。
自分の言いたいことが明確になると、自分の中で余裕が出ます。
自分なりの考えを伝えて理解してもらえたら嬉しい人が多いでしょう。
そして自分も相手の意見を聴こうという姿勢が自然と出てくるでしょう。
もし相手と考えが違ったとしても、その先は自分たちで話し合っていけばいいわけです。
反対に自分の言いたいことや考えを明確に掴めていないと、当然ですが人にもうまく伝えられませんね。
しかし職場での自分なりの立場もあるので、なんとか恰好をつけないといけないなどと余計なことを考えがちになります。
変に偉そうにふるまったりして、自分のことを察っしてもらうことや忖度することを相手に強要してしまう流れになりがちに見えます(自戒も込めて、ですが)。
これでは、なかなか根本的な改善につながりませんね。余計な問題が起きるばかりです。
そういう私も他人の目を気にして恰好をつけなきゃと思いがちで、自分の本音を探すことや言語化に労力を使う方が優先だという判断ができるようになるまでには時間がかかりました。
しかし、これができるようになってからは、人との関り方がかなり変わってきました。
なによりも、相手の言葉を鵜呑みにすることが減りました。
そして
「この方は、本当に言いたいのは違うところにあるのでは?」
「でも意識化できていなかったり、言語化できていないのでは?」
と思いが至るようになりました。
それで
「もしかして、本当はこんなことをお考えではありませんか?」
と訊いてみるようになったのです。
そうすると、相手の方はびっくりされます。
「あっ、ほんとうだ!自分が本当に考えていたこと、伝えたかったことはそっちだ・・・なんで分かったんですか?」
と逆に訊かれます。
それは、私が同じ体験をたくさんしてきて、たくさんたくさん困った羽目に陥ってきたからなのですが(笑)
本当のことが言えない、伝わらない原因は自分にある
さて一方、自分の言いたいことを自覚できないまま別の表現を使っていると、当然相手とのずれが生じ、コミュニケーションエラーを招くリスクが高まります。
自分がはっきり言えていないことが問題なのに、相手に自分が言ったことを察するストレスや労力を必要以上にかけてしまうことにもなります。
そんなことが続けば、「コミュニケーションが嫌だ、面倒くさい」と相手に思わせてしまい、関わること自体に拒否感を生んでしまうことにもつながります。
チームとして一緒に働こうよ!などと言う話ではなくなります。
それではもったいなさ過ぎるし、悲しいですよね。
問題は相手にあるのではなく自分にあります。
だからこそ自分で改善できることでもあるのです。これは嬉しいですよね。
相手のことは勝手に動かせないけれど、自分のことならすぐに動かすことができますものね!
「言語化」の事例をみてみよう
ちなみに、言語化ってなに?あんまりよく分からないよ、という方のために、少し例を挙げておきますので、もしこんなことが社員同士で話せるようになったらいいなと思われたら、どうぞご相談くださいね!
●言語化例1
上司から「これもやっといてよ」と気軽に仕事を指示されたケース:
【Aさんの心の声】
上司は自分(Aさん)がこの1週間は繁忙期で全く余裕がないのを知っているはず。
他に余裕のある社員がいるし、彼らに言うべきところ、なぜ自分に言うのか理解できない。こういう時はいつも自分に言ってくる。気軽に指示しているが、そんなに簡単なことでもないのに自分がやらないから仕事のことも分かってないんじゃないか。
目を配れていないのか、他の社員には言えない何かがあるのだろうか。
上司に腹が立つが、上司からどう思われるかを考えたらなにも言えない。
【その結果】
「分かりました」と返事をして仕事を更に抱えることになった。
この時に、Aさんの頭の中に浮かんでいたことは下線部分ですね。
そして本当に言いたことは以下のようなことでしょう。
- 自分は繁忙期なので余裕がない。サボろうとしているわけではなく、本当に時間がない
- 今回はできれば他の人に頼んで欲しい
- 普段もメンバーの仕事の状況を見て指示してほしい
- 自分に負担が偏ることが多い気がするが、なぜそうなるのか聴かせてほしい
Aさんがこの時に伝えたかったのは
「上司としての力量がないじゃないか」
「上司の癖に仕事のことを分かってないじゃないか」
ということがメインではないですよね。
本音を言えないから、別の部分で相手を非難してどうにかしようとしてしまうと、こんな風になりがちです。
これを言ってしまうと喧嘩になりそうでもったいないですよね。
言いたいことをきちんと伝えてみたら、普通の上司であれば
「あ、状況を見てなくてごめんね」や
「実はこんな理由があって、あなたに頼んでいるのですよ」と
いうような反応があると思います。
※このように言われることに慣れていない方は怒ってしまう可能性もありますが、それはAさんのせいではなく、上司の方に問題がありそうです。
●言語化例2
お客様の前で自分の部下が失礼に見える態度をとってしまったケース:
【上司の心の声】
部下に注意したが不貞腐れたような態度をとっている。
部下が失礼なことをしてお客様を不愉快にさせ、こっちは上司としてフォローしてあげたのにその態度はどういうことなのか?
腹が立つな。
【その結果】
「お客様のことをなんだと思っているんだ。そんな態度では無理だぞ!」と怒鳴ってしまった。
この時に上司が考えていたことは下線部分になりますが、上司が伝えたかったことは、以下のようなことでした。
- そんな態度をしていてはお客様に対して失礼なのだからきちんと謝らなければいけないよ。
- せっかく頑張っていてもこういうことでお客様をなくしてしまうこともあるのでもっとマナーを学ばないといけないよ。
- 自分がフォローしたのに気づいて、ここでちゃんと挽回してほしかった。気持ちが通じずに残念だ。
伝えたかったのは
「お前なんか無理だ、もうだめだ」
ということではなかったのですね。
でも、こんな風に伝えてしまうと、部下には「自分はだめだ」と言う風に伝わってしまったり「上司は全然分かってない」と言う風に受け取られかねません。
ですが、もし伝えたかったことをそのまま言えていたら、どうなったでしょう?
せめてもう少し部下に気持ちが伝わりそうな気がしませんか?
ストレスがたまっている職場に取り入れたい「言語化」の研修
きちんと言語化しないままだと、やっぱり本人も相手もストレスが高じてしまいやすいですし、それがハラスメントや人間関係のトラブルにつながってメンタル不調なども生み出してしまうのです。
言語化ができる状態になると、余計なストレスがかからなくなりメリットが多いことが理解いただけたのではないでしょうか?
言いたいことに意識を向けるにはどうするか、言いたいことを言語化してみるにはどうすればいいか、それらのコツを掴んでもらう研修を取り入れるのも有効です。
お気軽にご相談ください。
ぜひ一緒に取り組み、働きやすい職場をつくっていきましょう!
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