リモートワークのストレス対策(オンライン研修から見えてきたもの)
このところ、企業のオンライン研修の機会が重なり、様々な企業の社員さんのお声を聴かせていただいております。
やはり、としか言いようがないのですが「ストレス」が溜まっている方が多いですね~~~。
そこで本日は、オンライン研修から見えてきたリモートワークによるストレスについて、そのストレス要因の分析とストレス対策をお伝えします。
もくじ
リモートワークと社員のストレス
ストレスって、普段から色々と感じているものなのですが、何気なく対処してしまっていることが多いのです。
ストレスを自覚するほどとなると、そこそこストレスが溜まっているレベルになってきているのではと思います。
ストレスの何が怖いかと言うと、万病のもとになってしまうもの、とも言えるような厄介なものだからです。
メンタル、からだの両方に悪影響を及ぼすので、意識的にストレスを捉えてうまくつきあうことが大事になってきます。
会社としては、社員をなるべくストレスから守ることが大事ですね。
社員の心身の健康のため、また生産性を上げるためにも、とても大切な対策になります。
社員に対してストレスを感じやすい働き方をしてもらわざるを得ない以上、会社としても早めにどんどん手を打つ方が効果は上がりそうです。
リモートワーク下でのストレス要因とは
リモートワークや当番制出勤で現在多そうなストレッサー(ストレス要因)は、どんなものがあるでしょうか?
新入社員の入社や社員の配置転換・異動などで人が入れ替わることが多い4月。そういった時期である4月からリモートに切り替えている会社が抱えるストレッサーは、
リモートワーク下では引継ぎがうまくできていない
新メンバーとの関係がリモートだと作りにくい
システムなどを変更した場合はそれに合わせた仕事の組み立てができないままリモートワークを中途半端に進めている
などがあるようです。
また順次リモートを取り入れた企業でのストレッサーも含めると、
近くにいればタイミングを見て訊けるようなこともリモートだとなかなか訊きにくい
(とくに非常に簡単なことか、非常にややこしいことが訊きにくい)
リモートだと社員一人一人の表情が見れない(または表情が見づらくなる)ので本音を掴みにくくこれでいいのか心配
チャットやテキストだと温度感が分からずどのくらいのレベルで受け取っていいのか悩む
(考えるのに疲れる)
リモートワークだと人となかなか話せないのでアイディアが湧きにくい
リモートの環境下では誰かの仕事のやり方を見て自分の仕事を覚えることができない(OJTができない)
等々挙げたらきりがないようです。
これらのストレッサーのおおもとは
コミュニケーションが不足していることにあります。
リモートワーク下でのストレス対策として効果的なこと
毎日職場で顔を合わせていた時は、無意識にちょっとした雑談を通してお互いの性格を知って距離が縮まったり、様子を見て時間がありそうなときに相談をもちかけたり、相手の表情や話し方から感情を読み取ったりしていました。
そういった人と人の直接のコミュニケーションがなくなってしまった現状というのは、極端に言えばパソコンを相手にコミュニケーションをとっているような状況で、非常にやりづらいと思います。
長年築いてきたコミュニケーションの方法が急に使えなくなってしまい、頭で切り替えようとしても、気持ちまではうまく合わせられなくても当然です。
そんななかで企業の研修をさせていただくと、「話ができてよかった」と感じられることが多いようです。
この「話ができてよかった」という感想が示す意味を具体的に表すと
「この人はこういうことを考えていたんだ!」
「あの人はそんなことを感じていたのか!」
という発見、肚落ちからくる安心感や安堵感のようです。
「ああよかった、やっと分かった…」という感覚ですね。
そういう感覚がないままに日々を過ごすと言うのは、非常に大変なことです。
なぜなら「日々、分からない」状態で過ごしているということだからで、「分からない」ということが人間には一番のストレスだからです。
それから、「話ができてよかった」という感想の根源には単純に「人と話したかったんだ!」という思いがあったという方も多いようです。
人と話すことが、こんなに必要だったのか、こんなに楽しいものだったのかという気づきもよく聴きます。
例え楽しくないテーマを出して話し合ってもらったとしても、こういう感想が返ってくるので、講師をしていても面白いなと感じたりしています(笑)
企業でみんなと一緒に働く人々にとっては、疑問などが分かるようになることも大切なのですが、それよりも
「一緒に働いている人」
のことを分かるようになることの方が大切なような気がします。
疑問点は一度理解すれば終わりますが、人について知ることは一度の質問や相談では終わらないですし、何よりも自分が仕事をする基盤が「チーム(組織)」だからですね。
ということで、今いちばんにお勧めしたいリモート対策としては
「リモートワーク中はコミュニケーションをたくさんとる仕組みを入れる」
です。
例えばこんなのはどうでしょうか?
・1on1を上司以外のチームメンバー同士でも取り入れ、最低でも1週間に1回は誰かと15分~30分程度話す時間をとる
・朝礼では仕事の進捗だけでなく工夫している点など具体的な話しを盛り込む
・朝礼などの場で他の人への励ましやアドバイスの一言を送る時間を入れる
・朝礼や夕礼以外に15分程度でもいいのでブレイクの時間をつくり、今日の進捗や困った点などをざっくばらんに話す時間をとる
急にコミュニケーションを多く取るための仕組みを導入しても、話しにくさを感じてしまわれる方もいるかもしれません。
そんな場合は、ストレス対処の研修を皮切りにして、社内コミュニケーションの活性化を進めていかれることをお勧めします。
コミュニケーション研修(アクティブリスニングや傾聴、アサーティブコミュニケーション、コンセンサス法など)やアンガーマネジメント研修は新しい時代の中で一番必要とされているものかもしれませんね。
リモートワークでメンタルのバランスを崩された方とお話しをしていると、共通しているのが「自分だけが誰かと話そうとするのは申し訳ない」「他の人の時間を奪ってしまうようで、自分から話したいとは言えない」という言葉です。
毎日会える環境で気軽に必要なコミュニケーションが取れていたときには、「雑談」「ちょっとした相談」がまさかこんなに価値のあるものだなんて、誰が思っていたでしょうか?
失って初めて気づいたこの価値ですが、まだあまり社会では認知されていないようです。
雑談ばかりでは困りますが、リモートや当番制出勤が当たり前になってきた現在では、新たなやり方をしっかりと共通認識にしていく必要もあります。
会社としてもオンライン上で自分から誰かに話しかけに行くことは大切なことであり、誰かの時間を奪うわけでなく、お互いにとっていい状況を生み出すものになるのだということをしっかりと社員へ伝え、新たな常識をつくっていかれるのも大切ではないでしょうか。
これから秋冬になると、メンタルダウンしやすい時期にもなってきます。
この半年で溜まりに溜まったリモートワークやコロナ疲れによるストレスを解消し、メンタルダウンしやすくなる秋冬に備えて、対策をとっていきませんか?
長期在宅ワークの影響による社員のメンタル不調が増えています。
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