長期休暇とメンタルヘルス不全対策
ゴールデンウィークなどの長いお休みが取れる時期は喜ぶ方がいる一方で、メンタルヘルス不全の方にとっては、辛い状況でもあると言えます。
連休明けには調子があがらず、仕事に行きたくないと感じてしまう・・・ということは、多くの方が経験したことがあると思います。
実際に連休明けに体調不良で会社をお休みする社員もチラホラ現れて『休み明け早々にお休みするなんて、気持ちがゆるんでいるか、お休み中に遊び過ぎたのでは?』など、職場で文句を言っている上司の方を見かけることもあるのではないでしょうか。
そこで本日は、人事に関わる方や上司にあたる方に、どうして連休になるとメンタル不調の方は辛くなるのか、その理由をお伝えします。そして、連休明けに社員がいつも通り出社できるように、対策へつなげていただけたら嬉しく思います。
メンタル不調の方が連休に調子を崩すのはどうしてか
メンタルヘルス不全の方のご相談で多いのが、 『土日や連休の過ごし方がうまくいかずに調子を崩してしまう』 というものです。
例えば
“1週間の疲れから金曜日の夜は帰宅直後に爆睡し、土曜日のお昼まで寝てしまった”
“土曜日の夜は元気でゲームをしたり動画を見てしまい、寝たのが遅くて日曜日も昼過ぎに起床し、夜が寝られずに月曜日は寝不足で体調が悪い”
とか
“連休は家族のペースに合わせて動いていたので、なかなか休めなかった”
“人混みが苦手なのにイベント会場が人だらけで疲れてしまった”
などは、よく聞く話です。
このように、夜更かしや、いつもは起きている時間まで長く寝すぎてしまったり、何等かの要因で眠りにつけなかったりすることが、調子を崩す要因として挙げられます。
メンタルヘルスへの悪影響をできるだけ避けるには、起床時間や睡眠時間を大きくずらさないことが一番です。
ずれることが分かっている場合は、翌日で解消しきれる範囲、または1週間以内に調整しきれる範囲にするよう、人事担当者や上司の方から該当する社員の方へアドバイスしましょう。
何もしない日が2日以上続くとリズムが崩れてしまうので、1日出かけたら1日休むなどもお勧めです。
また、起床時間を平日とあまり変えないで済むように、人と会う約束や出かける用事を午前中につくるなど、意識的に予定を組んでおくのも助けになります。
人事担当者や上司からメンタルヘルスが気になる社員へのアドバイスのしかた
そんなところまで踏み込んで言ってもいいの?と疑問を感じるかもしれませんが、ポイントは「アドバイスというスタンス」を守ることです。
伝え方としては
「こうするといいみたいですよ。」
「気になったので、お伝えしようと思っただけです。」
「良かれと思ってのことなのですが、 ストレスに感じるようでしたら、気にせずにスルーしてくださいね」
などの気遣いを見せるとよいでしょう。
弊社ではさらに
「アドバイスを聴かずに好き勝手にしてしまって調子を崩したから、 申し訳なくてこれ以上は相談できない」
などと孤立しないよう、以下のように付け加えることもあります。
「もしそんなことがあったとしても、 またその時なりの対策を一緒に考えるので、 気にせずに相談してくださいね。
私たちはそれが仕事なので、大丈夫ですよ。」
ついつい、せっかくアドバイスしてあげたのに!と思ってしまったりするかもしれませんが、相手も一人の大人です。
自分だって、ダメだと分かっていてもやりたくなることもありますよね(笑)
そんなことも踏まえての関係ができると、それこそが「信頼関係」ではないでしょうか?