人間関係や思考(発想)に柔軟性をつけよう~研修:リフレーミング~
こんにちは、ちいさな会社のメンタル面を丁寧にサポートすることが大好きな、ソルラシックのよしだです。
今回は、コミュニケーション研修やセルフケア研修でもよく取り上げるスキルのひとつ「リフレーミング」について、お伝えしていきたいと思います。
もくじ
職場で生きるリフレーミング効果
先に伝えてしまうと、リフレーミングの効果にはこんなものがあります。
・ひと・もの・こと等に対する捉え方に柔軟性が生まれる
・ひと・もの・こと等への対応力が上がる
・気持ちの切り替えがしやすくなる
これが職場でどう生きるかと言うと、主にこの2点かと考えています。
・人間関係の対応力が上がり、関係が今より少しよくなる、楽になる
・仕事に対する発想力が上がる
もう少し大きく捉えると、働きやすい職場づくりにつながったり、生産性向上や事業の今後の展開にも役立つものとも言えるのではないかと考えています。
そんなことを言われても、簡単には信じられないですよね(笑)
まずはリフレーミングについて説明してみます。
リフレーミングとは?
リフレーミングとは、物事の捉え方(認知)を意図的に変えてみることで、それに対する感じ方を変えるというシンプルなものです。
なんだそれだけ?という感じですか?はい、これだけです(笑)
すぐにできると思いますよね。でも、これが意外と難しいのです(笑)
例を挙げて考えてみましょう。
半分のお水が入っているコップがあったとします。これはただの『事実』です。
今回は分かりやすく、2つの極端な認知の例を挙げてみます。
Aさんの捉え方:コップに水が半分もある
Bさんの捉え方:コップの水が半分しかない
人が、たったひとつの事実をどのように認知するかにより、気分(感情)と思考が生まれ、それが行動に影響していると言われます。
Aさんのような認知をした場合、半分もあると捉えているので安心感があったり、落ち着きを感じられることが多そうです。安心している時、落ち着いている時の、自分の行動はどのようなものでしょうか?またそういう時にとる行動は、どんな結果をもたらしやすいでしょうか?
当たり前ですが、適切な行動、ポテンシャルをきちんと発揮した行動がとれて、その結果としては良いものが生まれる可能性が高いと分かります。またその結果を自分で良いものと認知し、気持ちも満足や肯定感が生まれて、さらに良い方向へ進みやすいのが分かると思います。
Bさんのような認知をした場合に多いのは、多少の不安や焦りを感じやすいかと思います。そんな時、あなたはどんな行動をとりやすいですか?落ち着かなさから、ちょっとしたミスをしたり、それを大きなことのようにとらえて必要以上に自分を責めてしまったり、腹が立ったりしませんか?負の連鎖が生まれる可能性が高いのは、ご自身の経験からも気づかれたのではないでしょうか。
どのように認知をするかはご自身の自由なので押しつける気はないのですが、できればAさんのような認知をした方が、自分にとっても周囲にとっても良さそうですね。
人事面談・相談の対応にもリフレーミングが役立つ
人事の方はよく職場の人間関係の悩みについて相談に乗ることが多いと思いますが、そんな時にも役に立ちます。
相談者は例えば上司のCさんについていろんなエピソードを伝えてくるかもしれません。こんなキツイ言い方をするとか、自分だけこんな仕事をさせるとか、自分にだけ冷たいのではないかなどなど。そんな時に、人事としてはハラスメントの可能性を疑ったり、事実関係の確認を重点的にしたくなることが多いかもしれません。それぞれとても大切なことです。ただもし相談者がちょっと思いつめ過ぎているだけなのではないかとか、他の人からも実は相談があって、相談者が周りが見えなくなっている心配がある時などは、これをリフレーミングを一緒にしてみることで、解決する場合もありそうです。
例えば「キツイ言い方をする人」をリフレーミングしてみると、、、どうでしょう?思いつきますか?
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- 仕事にとても思い入れがある人
- 部下を一生懸命育てようという思いが強い人
- 仕事に手を抜かないきちんとした人
- 仕事の質を常にあげようとしている人
- 仕事にすごく熱心な人
他にも、いろんな認知の仕方があるかもしれません。
さて、「キツイ言い方をする人」と聴くと、いや~な気分になったり、そういう人と一緒に仕事をするのは避けようとしがちで会話も少なくなりがちですが、上記のような人がいると聴くと、どうですか?
一緒に働いてみたいと思ったりしませんか?
また自分に対してネガティブな評価を下しては自信をなくしている方も多くいますが、そんな時にも自分をニュートラルに捉えたり、自己肯定感を上げる時に役に立ちます。
自分は仕事が遅い、などと落ち込んでいる人がいた場合、リフレーミングをすることで、仕事が丁寧だとか、自分のペースを保てる安定した人だとか、ひとつひとつきちんとやる責任感のある人だと捉えてみることで、少しずつ変わっていくことができます。
メンタル不調の方にも効果的なスキルなので、もし御社の社員さんとお話しする際には、こんなやり方もあるらしいよと伝えてあげてくださいね。
※メンタル不調のビジネスパーソンがこころのセルフケア手法を学べる当社のサービス『こころのフィットネス』のブログにも、リフレーミングのやり方を掲載してあります。
メンタル不調で悩める社員さんには、こちらのブログ↓を見ていただければリフレーミングのやり方がわかりますよ。
最初にネガティブな認知をした後であれば、嫌なものを好きになるまではいかないかもしれません。でも、「まぁ、そういうところもある人だよなぁ」くらいには受けとめられるようになる人が多くいます。
思いつめているときなどは、とくに認知の柔軟性が低下しがちなので、一緒にやってみると相談者自らが楽になることができるかもしれません。
思考の柔軟性が高い人はメンタル不調になりにくい
これが日ごろから使えるようになると、人間関係に対しても、仕事に対しても、いろんなことに対しても柔軟性が上がっていきます。
リフレーミングは、認知や思考のストレッチだと言うのは、そういうわけだからです。
認知や思考の柔軟性が高い人はメンタル不調になりにくいです。ポテンシャルを発揮しやすい状況を自ら整えていくことができ、捉え方を変えて気分を切り替え、周りの人とも仕事にもどうにか適応することがうまくなっていくからです。
そのためには、リフレーミングを習慣づけて、ついネガティブになりがちな自分に気づき、危ない方へ進みそうだと気づいたらすぐに方向転換をできるようになることが大切なのです。
定期的な思考のトレーニングで大きなメリットを得る
当たり前ですが、柔軟性は放っておいても高くならないので、定期的にトレーニングすることがとても効果的です。
リフレーミングには事業の発展にとって、さらに大きな利点があるとも言われています。
ややこしくなるので、先ほど認知のパターンの例として2つしか挙げませんでしたが、実は水以外の部分に着目するというパターンもあります。水がない部分があると認知すると、そこをつかってなにかできないか、という発想へつながっていくことがあります。これ、仕事の面ではとても必要なことですね。
つまり発想が豊かになるので、新しいことにもつながっていきやすいのです。
リフレーミング、本当にいいこと尽くしでしょう。
研修では、グループで行うことでお互いの発想力に気づき、お互いの良さや違いの良さに気づくことも多くあります。ダイバーシティ(多様性)への適応力を上げる意味でも、とても役に立つものです。
大事なのは、リフレーミングを「知っている」のではなく「必要な時にどんどん使えて、効果を出せていること」です。
ぜひ、一緒にやってみましょう!