「やることいっぱいあり過ぎて、どれから手をつけたら良いの?」多忙なひとり人事の悩みを解決する方法
中小企業の人事やスタートアップで人的投入が難しいフェーズの会社では、1人であらゆる人事業務を担当している“ひとり人事”の場合が多いものです。
かつて私(今回はスタッフ・奥村が書いております)も“ひとり人事”として、ある企業で働いていました。
そもそも人事の仕事は、会社の「人(社員)」や「組織」に関わる重要なことばかりです。
その上、日々いろんな新たな「問題」が起こりがちで、自身でスケジュールを組んで、今日はこれ、明日はこれ・・・と計画的にやっていこうとしても、大概はスケジュールが狂います。
それだけイレギュラー案件が多い仕事だったな・・・と振り返ると思います。
ただ、毎日起こるいろんな目の前の問題に取り掛かってばかりいると、他の重要案件がなかなか進まなくなります。
人的に余裕があり、人事スタッフが多数いる場合には、それぞれの役割の中で優先順位をつけられますが、ひとり人事となると、マルチタスクの処理能力が強く求められます。
弊社のお客様企業にも『ひとり人事』の方が多くいらっしゃることもあり、今日はいつもと少し趣旨を変えて、そんなひとり人事あるあるの1つ「やることがいっぱいあり過ぎて、どれから手をつけたら良いのかわからない」について1つの解となるお話をさせていただきますので、お役に立ったら嬉しいです。
もくじ
ひとり人事の悩み|どれを真っ先にやるべきか?
組織の課題や事業目標として達成していきたい人事プロジェクトなどを抱えている時、どれもこれもが重要で、どこから手をつけよう・・・と悩んでしまうものです。
こういう時は、いっぺんに全てをやろうとせず、まずその中で一番急務の課題を1つ選び、その解決策として核心をつく一番効果的な解決策を見つけることをお薦めします。
なかには、とりあえず簡単に解決できるものから片付けるという方もいらっしゃるかも知れませんが、いくら簡単に解決できてもその課題の数が多ければ時間がかかります。そして、どの課題も進み具合が中途半端になりがちです。
きっと思考が分散したり、打つ手がそれぞれ異なるために解決にかける力と時間が分散してしまうからでしょうか。
早く解決できると思って着手したことが、結果として余計な手間もかかり非効率になることも多々あることです。
なので、複数のやるべきことがある時には、1つだけ急務で重要な課題を選択し、その解決方法として最も効果的な「一番のコアとなる策」を1つ見つけてそこに全力集中で取り組むことをまずはやってみてください。
コアとなる策をみつけてそれに集中して取り組んでいくと、もともとの重要課題だけでなく、その周辺課題も一緒に解決されることが多いのです。
つまり、1つの核となる策はその他の問題を根本的に解決する策にもつながっているものなのです。
問題を手っ取り早く片付けることに注力するのではなく、一遍に解決へ導く核の策を探って実施すること。これがキモになります。
一番のコアとなる解決策を見つける方法
では、どうやって1つのコアとなる解決策を見つけるのか?
いろんな策があって、何が核となっているのか選別が難しいと感じた時こそ試してみて欲しいのは「曼荼羅チャート」です。
私の人事時代の事例となりますが、当時働いていた企業の課題として「海外要員に適切な人材が不足している」という課題がありました。
当時その企業にとって海外拠点は非常に重要で、海外拠点をうまく活かした事業活動が欠かせなかったので、海外要員の不足は企業の重要で急務の課題でした。
そこで、いますぐ海外拠点を担えるような同様の経験を持つ人材を外から採用して補うことが解決策であると考え、1名採用しました。当時は、海外拠点を任せられる人材が社内に少なかったので、「外部から採用して補う」ことが一番の早く解決できる手段であると判断したのでした。
しかし、実際に採用した人材は、経験は充分でも他の社員となかなかうまく折り合えず、パフォーマンスも発揮できないまま程なくして退職してしまいました。
結果的に採用にコストをかけていながら、十分な効果が得られない結果となったわけです。
つまり、打つ手が間違っていたということなのです。
この結果から、外部からの採用が最適な手段なのか?を今一度考えることになったのです。
そこでその時にたまたま知った「曼荼羅チャート」を使って課題とその解決策を整理してみました。
チャートにはいくつかのマス目があるので、そのマス目へ今把握している課題に関して書き込み思考を整理していきます。
すると、見えてきた根本の解決策は、「足りない海外人材の外部採用」ではなく「今いる人材の育成」でした。
組織として急いで打つべき手は、なによりも人材を育てて、人的投入を効率的におこなうことだったのです。
このように人が足りないから「採用」に踏み切るという端的な見方で手段を投じるのではなく、なぜ人が足りないのか?の根本要因を掘り下げていくと、その先にある核となる問題・そこからの解決策が見えてくるのです。
核となる解決策に着手すると得られるメリット
判明したコアとなる解決策の「人材育成」をする過程で、いろいろな研修を取り入れました。
内製の研修もあれば、外部講師をお招きしての研修も実施するなど、予算付けをして一気に取り組みました。
その中で気が付いたのは、研修という場そのものが横断的に組織のつながりが持てる場であると言うことでした。
研修を一緒に受講して一緒にワークをしていくと「隣の部署の人」という漠然とした関係性が「隣の部署の●●さん」という一段深く入り込んだ関係性に変わり、部署間のコミュニケーションが円滑になるという副産物がありました。
また、主に業界固有の座学の研修は内製化したのですが、座学の研修講師は、内容に則した部署のマネージャーや部長など、スキルを伝授できる方にお願いをして講座をしていただきました。
すると、その講師を務めたマネージャーや部長には自然と「部下を育てる」というマインドが根付き、研修が終わってからも引き続き自主的な研修を開催してくださるような活動にもつながりました。
また、人材育成に取りかかる前の職場は、上司や部下の対話が極端に少なく、お互いをよく知らないままのぎこちないコミュニケーションだったことに加えて多忙な環境でした。
そのため、メンタル不調を引き起こす社員が増え始めていた時期でした。
人材育成を行うためには、育成する人材の土台が心身ともに健康でないと始まらないので、メンタル不調など健康を害して休職や退職をする社員が出てしまい、育成する人材そのものが居ない状況はどうしても避けなければなりません。
そのため、社員の心身の健康についても同時にケアをする目的で「セルフケア研修」と「ラインケア研修」を外部講師にお願いして開催しました。これも人材育成・教育の一環として研修を設けました。
上長が部下の心身の健康にも気を配る習慣は忙しい職場ではなかなかできないものではありますが、メンタルヘルスの知識を少しでも知っていると、アンテナの立て方や相談しても良い環境づくりに変化が見られました。
こうして、人材育成へ取り組んでいくうちに、それまでの課題だった
✅上司と部下のコミュニケーション不足
✅部署間をまたいだコミュニケーション不足
✅それらが原因で業務上の認識の違いが起こり、業務の滞りやミスの発生
✅あまり良いとは言えない職場のムード
も人材育成を取り巻く様々な試みが功を奏して、すぐにとはいきませんでしたが、徐々に改善されていきました。
つまり、核となる解決策の「人材育成」から着手したことで、海外要員不足の周辺課題だった
組織全体の活性化
コミュニケーションの円滑化
という2つの課題も同時に解決へと導いたのでした。
このように、さまざまある1つの課題への解決策の中でも核となる解決策を割り出し、他の課題との相関関係を整理して、一番効果的な手順で着手していけるように導いてくれる曼荼羅チャートのようなツールが、ひとり人事の思いを行動計画に移して実行していく整理にとても役立ちます。
ひとり人事のお役立ちツール
曼荼羅チャートは、このように解決策を導くためだけではなく、目標達成のために何をしたら良いか行動計画を作るときや、情報や発想の整理をする時にも利用できる便利なツールです。
よろしければ、わたしがおススメする曼荼羅チャート(使い方の説明付き)を
こちら↓のフォームから受け取ってくださいね。
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是非活用してみてください。
また、曼荼羅チャート以外にもロジカルに考えるのに有効なツールは他にもあります。
ロジックツリーはその中でも皆さんのなじみがあるツールかも知れません。
ロジックツリーについて参考になるサイト(外部サイト);
【ロジックツリー】作り方を徹底解説!4種類のツリーの実践例あり:
https://infinity-agent.co.jp/lab/logic-tree-example/
ロジックツリーとは?作り方と活用できる具体例やテンプレートで解説:https://www.lucidchart.com/pages/ja/logic-tree
「ロジックツリー」の書式テンプレート
https://www.bizocean.jp/doc/category/339/
様々な課題を目の前のものからやみくもに片付けていこうとするより『ここの解決策を投じれば、おのずと他の問題も解決へ近づく』という「核となる解決策」を見つけ出すことからまずはやってみてください。
忙しいひとり人事の方々のお役に立ちますように。
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