メンタル不調社員との面談~こころの状態を把握する3つのポイント~

こんにちは、ちいさな会社のメンタル面を丁寧にサポートすることが大好きな、ソルラシックのよしだです。

今回はメンタル不調の社員さんと面談をする時に、「目に見えないこころの状態」について、どうやって把握していけばいいのかについて、3つほどポイントをお伝えしたいと思います。

というのは、普段わたしがうつや適応障害などの社員さんと面談をするときに、人事の方から「メンタルの問題について話すとき、相手のこころの状態がよく分からないので、話をどうとらえたらいいのかとか、相手の状態をどうつかめばいいのか分からない」というお声を聴くためです。

今回のブログですべてを伝えられるわけではないですし、お読みくださる方によっての経験や勉強されていることによっても違いがあると思いますので、参考程度でお読みいただき、ご自身の場合にあわせてアレンジしてみてくださいね。

さて、それでは早速進めていきます。

 

『心理状態を自覚することに慣れていない』を前提に面談する【ポイント1】

ポイントの1つめです。

いま、あなたはどんな気持ちを感じていますか???

こう訊かれて、すぐに答えは出ましたか?

それでは、朝起きてから今までを振り返って、何をしているときにどんな気持ちだったか、思い出せますか?

1日の中でも大きなイベントやこころへのインパクトがあれば意識して「最高だった!」「最低だった」「腹が立った」「嬉しかった」などを把握しているかもしれません。
ただ、多くの方は「うーん・・・」と止まってしまわれたのではないでしょうか。

気持ちや感情、心理的な状態というのは、そこに目を向けたり意識を向ける練習をしていないと、無意識に通り過ぎていってしまいます。
とくに日本では自分の感情をあらわにすることがよしとされる文化的背景が、現代においてはあまりなかったとも言えるため、感情にはあまり目を向けないようにすることの方が多いのかもしれません。
逆に、感情を押し殺すこと、なかったことにするなどのスキルは磨いている人が多いような気もします。
これでは、メンタル不調街道を突き進む感じになってしまいますね。

なにが言いたいかと言うと、健常な状態の人事担当者の方でもご自身の気持ちや心理的状態を把握することは難しいということは、メンタル不調の社員さんだって、病気うんぬんは置いといて難しいのではないかということです。

お互いに「自分の心理状態を自覚することは、意外と慣れていないのだ」という前提に立つことが、まず大切だと考えています。

 

気持ちを伝えるスキルの補完に『感情をあらわす言葉のリスト』を活用する【ポイント1+α】

加えて、先ほども触れましたが、それを相手に伝えることをよしとしない社会の風潮を感じて育ってきているので、気持ちを伝えるスキルも全般的に低いのが普通のようです。(いま結構傷ついたんだけど、とか、いまうれしいんですけど、なんて会社でもプライベートでもあまり口にしませんよね。とくにその場にふさわしくないと思われる場合ほど。。)

この状態を少しでも前に進めるためにやってみるといいのが、感情をあらわす言葉をたくさんリストにしておくこと、です。なにそれ?と思いましたか?そう思われるかなと思いつつ書いてみましたが(笑)

感情を掴むことも表現する事も慣れていない人たちが話し合うのであれば、助けてくれるものが必要なのは当然です。
日本語は感情を表す言葉がとても豊かで、小さなニュアンスの違いも丁寧に使い分けることができます。

「よろこび」という感情だって、慶び、喜び、歓び、悦びと4つも違いがあります。
「かなしい」という感情も、悲しい、哀しいという2つの違いがありますし、さらには悲哀、哀愁、もの悲しいなど、近しい表現はまだまだ多くあります。
また「せつない」のような言葉は、力になりたいのになれないような場合と、恋愛中につかうような場合では、ニュアンスが全然違うこともあります。

今月はどんな状態でしたか?など面談で問いかけることが多いと思いますので、その際にはぜひご活用を。

ネットにもたくさんの表現リストがあるので、それを使うのもいいと思います。
ぜひお手元にご用意を!そして面談前にはこっそりレビューしておきましょう!

 

こころの状態によっては無理に話を引き出さない【ポイント2】

それではポイントの2つめです。

メンタル不調でとくにうつ状態にある方は、さらに自分のこころの状態を自覚することが難しくなっているかもしれません。(はっきりと「うつ病」と診断されていなくても「よくうつ症状」とか「意欲の低下」や「思考力の低下」などと表現されている方も近いと思ってください。ここでは医学の定義ではなく、現場の感覚を主に伝えています)

うつの症状のなかには、感情があまり大きく動かなくなるというものがみられます。
ずっと気分が落ち込んだような状態が続いたり、なにも感じないような状態が続くと表現される方もいます。

そんなときは、そういうこころの状態なのだと受け取りましょう。
場合によってはこれ以上こころを動かすことが辛くてこのような状態になっていることもあると思いますので、無理やり引き出さずにそうっといたわり、時間を置きましょう。

人事の立場としては、なんとか相手の状況をきちんと掴んでものごとを前に進めたいと思ったり、相手の力になりたいと思ったり、記録にもきちんと残さなければなど、様々な思いに駆られますよね。優しさや使命感、まじめさなどから出る思いなので、それはそれでとてもいい人事さんだと思いますので、ぜひ思いは大切にしていただきたいと思います。

ただ、こういう状態は面談中にご本人や周囲がすぐにどうにかできることは少ないことや、無理に関わろうとすることで悪化させてしまってもよくないので、しっかりと判断をしていけるといいですね。

 

冷静に相手をよく観察する【ポイント3】

そして3つめのポイントが、相手の行動をよく観察するというものです。

こころは思考や行動、体調ともつながっています。
メンタリストDAIGOさんなどは、こういう観察がとってもお上手なのだと思います。私たちはそこまでは無理ですが、相手の本音は行動や体調にも出やすいので、参考として観察することは役に立つのではないかと思います。
ただし、勘違いや他の部分の見落としなどもあるかもしれませんので、ヒントとして捉えるにとどめて、「こうに違いない」などと決めつけないように気をつけましょう。

シンプルな例としては、こちらから「最近の体調はいかがですか?」と問いかけた時に「大丈夫です」と回答しながらも真っ青だったり、少し手が震えていたりする方などがいますね。
「大丈夫」と言いたいし、思いたいのかもしれませんが、本当は辛そうですね。
また復職面談などでも、もう治ったので復職したいと言っていたはずが、「休職の要因は、ご自身ではなんだったと思いますか?」なんて聴いているうちに、相手が涙ぐんできたりされると、「復職したい気持ちはあるけど、こういう話しをするとまだ辛いのかな」などと受け取れるのではないでしょうか。

机の下でずっと手をもじもじさせていたり、落ち着かなげに視線をあちこちに動かしていたり、表情がこわばっていたり、目が合わなかったり、何度も座り直していたり、姿勢が丸まっていたりすると、やはりちょっと心配なサインとして受け取れるかもしれません。

もちろん、大事な面談なので普通に緊張している場合もあります。
ですので、勝手にサインを「ダメな証拠」だと決めつけずに、丁寧にお互いに状態を確認していきましょう。

「涙が出てくるほど、まだつらい気持ちもあるように見えますが、どうでしょうか?」「ちょっと緊張されているように見えますが、気分はどうですか?なにかお手伝いできることはありますか?」など、普通に問いかけて大丈夫です。

ただその際は、変な憶測を根拠にしたり、どこかへ誘導しようとするのではなく、あくまでも見えている事実に対して、ご本人はどう捉えられているのかを問いかけてみる、という姿勢が大切です。
そうでないと信頼関係が崩れかねず、また人事としても誤った対応や判断をしかねませんので、ここは気をつけていきましょう。

あまり嬉しくない例では「復職したいです!」などと口では言われるものの、態度は椅子にふんぞり返ってだらしなく座っていたり、働く気があるとは思いにくい行動をとられている方もいるかもしれません。

そんな時はカッとなりやすく、相手をどうにかしたいと思ってしまいやすいので、そんな時こそ冷静に全体をよく観察していきましょう。(本音ではそうなってしまうことって、あると思います。人間ですから)
また大切な点を見失ったり、見落としたりしないよう、少し気持ちのうえでの距離をとりながら、相手の全体を順番に丁寧に観察していけると、結果的にはいい面談につながると思います。

というわけで、以上が3つのポイントになります。

弊社ではメンタル不調を予防するためのセルフケア研修やラインケア研修もしておりますが、そのなかでは感情を表すことばについて全員で考えるワークなども取り入れています。
⇒「セルフケア研修」「ラインケア研修」について詳しくはコチラをご参照ください

その目的は2点あります。
① 社員さん全員が定期的に感情に目を向けるタイミングを取り入れることで、自分の状態を自覚する力がついていき、より予防をしやすくなること。
② 少しでもそういった経験をしておくことで、万が一メンタル不調になった場合にも、面談の時に話しやすさが違ってくること

そんなわけで、ぜひ感情をとらえるためにやれそうなことがありましたら、ぜひ試してみてくださいね。

今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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